お知らせ・コラム

2024.03.24
住宅・不動産・相続のコラム
境界トラブルと相続前不動産問題と空き家問題を解決した話④

最初の相談から4年をかけて解決

前回からの続きですが、何故この接道不適合の土地所有者と隣地空き家所有者間でトラブルが起きてしまったか。それは私が相手方である空き家所有者と何度かのやり取りを重ねさせていただき、先方の勤務先である総合病院に来てもいいと言われ初訪問した時に判りました。

はじめに土地所有者は測量士に言われたままの内容をご自身では理解しないまま手紙で送り、その手紙に対する空き家所有者の質問に対し、内容が解っていないので答えることができません。また相手方も体の不自由な部分が有り電話等でのやりとりもできない、土地所有者は高齢のためメールも使えず唯一のやり取りは手紙だけ。そのためコミュニケーションが上手く取れない状態が続いてしまい、現地では一度立ち合いをされたようなのですが、お互いの主張にも食い違いが出てしまいお話としてはどんどん拗れていったようです。この話を聞いて最初に思ったことは測量士がちゃんと仕事をしなかったなと思いました。測量士が自信で相手方に説明をすることをやっていれば、もう少し話は違ってきたかもしれませんが自身の仕事の範疇ではないということだったのでしょう。


話はできたが何も進まず

それまでの経緯などを話はしてくれましたが、私に対する猜疑心や今までの経緯が有りますからそんなすぐに先の話を進めることができるわけでもなく、お仕事も忙しいからということで何もできない状態でした。そこから更にコロナ禍になり人と接触できないという理由で膠着状態となってしまいます。

そのような状況から更に土地所有者さんの体調不良や、この件で遠方から所有者さんをフォローしている娘さんも疲弊してしまいました。このままでは解決ができないということになり、弊社が何も解決していないその不動産を買い取ることになりました。相手方の対応や言われていることから、この不動産を買う事は相当リスクの高いことでしたが、空き家ということでもしも弊社が相手方の不動産も買うことができれば、接道の問題も境界確定の問題も全て無くなることでした。その万にひとつの望みにかけることで、土地所有者さんの抱えている問題をひとつ解決しました。

その後も空き家所有者さんは元々その土地に賃貸住宅を建てる計画をしていたこともあり、長い交渉や相談が続いたのですが最終的には弊社へ売却をしていただくことができました。

コロナ禍という史上類をみないような問題が間に入ったとはいえ、私の経験のなかでも一番長く抱えていた問題でしたが問題を解決しその不動産を再生できた時には喜びを感じることができました。