お知らせ・コラム

2019.05.19
住宅・不動産・相続のコラム
新たな原野商法にご注意!!

原野商法って聞いたこと有りますか?

資産性の無い不動産に将来資産性が出てくるような話を持ち掛け不動産を投資目的で買わせる、日本の経済が右肩上がりだったバブル期以前から被害が増えた詐欺の類です。そのような話は地方の山奥に有る土地で「原野」と言われる地目や、どこからどこまでが売買対象かすらも判らないような物件というか不動産を対象に行われていました。

聞く話では遠方での出来事のようですが、ここ横浜市青葉区でもこの手の商法は有ったようです。実際に元は山だった青葉区で電車も開通し区画整理も徐々に進んでいた1970年代後期であれば、投資に成功した人もいるでしょう。

今回ご主人が購入したそんな不動産を相続してそのまま保有していた奥様が、次は自分が相続する番になるかもしれない、でもこの不動産を次の相続にはしたくないというご希望から相談を受けました。


登記もされて綺麗に道路の入った角地

物件は青葉区内の市街化調整区域ということで建物は建てられない可能性が高いと想定していましたが、角地という認識を相談者様はされていました。持っている情報は当時の契約書類と登記識別情報だけ。それを元に登記簿謄本や公図、地積測量図を取得すると道路が一本入った11区画、開発分譲地の一画のようでした。しかし航空地図を見ても該当地番が見当たらず、地図上でもそれらしき分譲地が見当たらない為、横浜市役所の本庁へ調査に出向きました。すると現況と登記が異なっている可能性が有る故に地図には反映されていない可能性が有るとの事。

そこではじめて先に出てきた原野商法の事が頭をよぎりました。まさか青葉区でとは思いましたが、その前提で青葉区役所へも出向き調査をしていると、当時はそういうお話は多々有ったようで、何とか場所を想定できるところまでいきました。そして現地へ向かうと、そこは鬱蒼とした山林の中にある1本の坂道を登り、更に獣道のような先を進んだ場所でした。そしてそこには綺麗に道路が入った区画は無く、有るのは斜度30度以上の崖に生えた木々だけ。もちろん境界杭など見つけることもできません。

道のりを動画に撮って相談者様に見せると、30年は現地に行っていないようでしたが風景は覚えていたらしく(それほど周辺の環境が変わっていない場所)懐かしがられていました。ただ場所については最後の最後で別の場所を想定していたようで(そこは1本道の頂上付近に有る畑ですが地番が異なっていた)現況の報告を終えました。相談者様が相続する相手は代襲相続になる為、早くなんとかしたいというお気持ちが有ったのですが、全ての状況をご説明させていただき、ひとまずはそのまま持ち続ける事となり、まだお元気では有りますが他の財産と併せて遺言書を作成することになりました。


新たな原野商法の事例

問題はここからで、当時そのような詐欺の類に遭われた方々がまた被害に遭っているというという話です。

弊社のお客様もそうでしたが、どうにもならない「負動産」をできれば処理したい、相続にはしたくないという気持ちを逆手に取って、「売れる」「処分ができる」という話をして結果的に先にお金を支払わせるのです。上のチラシは弊社が所属している全国宅地建物取引業協会や警察、消費者センターが一緒になって作ったもので手口は色々有るようですが事例も書かれています。

最後にお客様にこのチラシを渡し、万一このような営業や話が来た場合にはすぐに私に連絡をいただくようにご提案をいたしました。